【メンテナンスシリーズ】とは

大切な車や道具を長く使うために定期的な点検が必要なように、私たちの体も日々の生活の中で少しずつ「ズレ」や「疲労」が蓄積していきます。

痛みが出る前の違和感、なんとなく続く内科的な不調、自律神経の乱れ……。

このシリーズでは、そんな目に見えないサインを読み解き、鍼灸と漢方のダブルアプローチで、本来の健やかなコンディションへと「調律(メンテナンス)」する方法をお伝えしていきます。

~後天の本:すべての活力は「正しく動く胃腸」から生まれる~


1. お正月明けの胃腸は「お疲れモード」ではありませんか?

新年を迎え、ごちそうを食べる機会や、親戚・知人との集まりが増えるこの時期。

「胃が重くて食欲がわかない」「少し食べただけでお腹がいっぱいになる」「みぞおちが張って苦しい」……そんな不調を感じていませんか?

検査をしても異常がないのに、こうした症状が続く状態を「機能性ディスペプシア」と呼ぶこともあります。これは、胃腸という「器」の問題ではなく、胃の動きや知覚といった「機能」が低下しているサイン。東洋医学が得意とする、まさにメンテナンスが必要な領域です。

2. 【鍼灸の役割】「動かない胃」を再起動させる即効アプローチ

機能性ディスペプシアの状態にある胃は、食べたものを送り出す「蠕動(ぜんどう)運動」がスムーズに行えていません。ここで大きな力を発揮するのが鍼灸です。

  • 胃の動きをダイレクトに促す: 背中や足にある特定のツボ(足三里など)を刺激することで、自律神経を介して胃腸の蠕動運動を活発にします。
  • 知覚過敏の緩和: 胃が膨らむ際の痛みや不快感を和らげ、食事を美味しく食べられる状態へ導きます。
  • 温熱による血流改善: 冷えて動きが止まってしまった胃腸に対し、お灸などの温熱刺激で血流を促し、内臓の温度を上げることで機能を回復させます。

3. 【漢方の役割】胃腸を動かす「エネルギー」を補う(おすすめ処方例)

漢方薬は、胃そのものが持つ「動くためのエネルギー(気)」を内側から補い、体質を底上げします。

服用シーン目的・効果おすすめ処方例
【常用】胃弱・エネルギー不足胃腸を動かす力が弱く、すぐ疲れる方の「消化する力」を底上げする。👉 健胃顆粒(けんいかりゅう)
【常用】冷えによる胃腸停止お腹が冷えると痛みが出たり、下痢をしやすかったりする方の胃腸を芯から温める。👉 理中丸(りちゅうがん)
【常用】ストレス・お腹の張りトレスによる胃痛や、お腹の張りを解消して気を巡らせる。👉 開気丸(かいきがん)
【頓服・常用】食べ過ぎ・停滞食べたものがいつまでも残っているような停滞感をスッキリさせる。👉 晶三仙(しょうさんせん)

4. まとめ:なぜ「鍼灸×漢方」の併用が必要なのか?

胃腸のメンテナンスにおいて、鍼灸と漢方の併用は非常に理にかなっています。

例えるなら、漢方薬は「ガソリン(エネルギー)」であり、鍼灸は「エンジンのスターター(起動スイッチ)」です。

動く力がない胃に対して、漢方でエネルギーを補うことは大切ですが、そこに鍼灸でスイッチを入れることで、より速やかに、かつ力強く胃腸を動かすことが可能になります。

「いつも胃が重いのが当たり前」になっている方こそ、この即効性と持続性を兼ね備えたダブルメンテナンスを体験してみてください。