妊活の「前準備」:生理周期を整えることが未来の妊娠力になる

晩婚化が進む現代において、多くの方が「もう少し先で」と考えているかもしれません。しかし、女性の体、特に卵子の老化は待ってはくれません。そこで大切になるのが、妊娠を意識する前から始める「妊活のプレ期」の体づくりです。

この「妊活のプレ期」とは、特別な治療を始めるのではなく、生理周期の乱れや生理痛、PMSといった日常的な不調を改善し、将来の妊娠に備えて体力と土台を育てる時期のこと。東洋医学の視点から、この準備の重要性をお伝えします。


I. 妊娠・出産は「1.5人分」の代謝を担う大仕事

妊娠・出産は、女性の体にとって非常にエネルギーを要する「大仕事」です。妊娠中、お母さんの体は赤ちゃんのために、普段の約1.5人分の代謝を担うことになります。

この大きな負荷に耐え、出産という大仕事に臨むためには、十分な体力が必須です。もし日頃から慢性的な疲れ体力の消耗を感じているなら、体は無意識のうちに「今は妊娠に耐えられる状態ではない」と判断し、妊娠そのものが難しくなってしまう可能性があります。

日頃の疲労ケアこそが、未来の妊娠力を高める一番の準備なのです。

健康な体づくり

II. 妊娠力のバロメーター:生理周期と体力の関係

東洋医学では、生理は「血(けつ)の満ち引き」「気(き)の巡り」によって起こると考えます。理想的な周期や状態は、体が「いつでも命を迎えられる、活力が満ちた状態」にあることの証です。

1. 「気」の消耗と周期の乱れ

慢性的な疲労や過労は、体を動かすエネルギーである「気」を消耗させます。気が不足すると、子宮や卵巣を活動させる「元気」が足りなくなり、周期の遅れ不規則な排卵につながることもあります。

2. 「血」の不足と生理痛・PMS

生理痛やPMSがひどいといった不調は、体内の「血」や「気」のバランスが崩れているサインです。これは将来、着床しにくい卵子の質が低下するといった問題に繋がる可能性を示唆しています。不調を放置せず、今のうちに「妊娠しやすい土壌」を整えることが未来への投資となります。


III. 鍼灸と漢方で整える「妊娠体質」の土台

当店では、日頃の疲労ケアだと思って体づくりを始めることをおすすめしています。鍼灸と漢方薬は、体のバランスを根本から見直し、体力を底上げします。

1. 漢方で「血」を充実させ、体力を底上げ

妊娠の土台となるのが、子宮と卵巣に届く「血」です。漢方薬は、この「血」を増やし(補血)、巡りを良くする(活血)ことで、子宮内膜を健やかにします。さらに、疲労によって消耗した「気」を補う漢方(補気)も併用し、体力を底上げすることで、出産に耐えうる土台を築きます。

2. 鍼灸で深部の血流と「気」の巡りを改善

冷えは血流を悪化させ、子宮の機能を低下させる最大の敵です。鍼灸は、腹部や骨盤周りの深部の血流を改善し、子宮や卵巣を温かく保ちます。また、自律神経のバランスを整えるツボにアプローチすることで、ストレスによるPMS(気滞)を緩和し、心身ともにエネルギーが満ちた状態へ導きます。


IV. 今すぐ始める「プレ妊活」のススメ

「まだ先だから大丈夫」と油断せず、生理痛やPMSが解消し、日々の疲れを感じない快適な状態を基準にしましょう。

不調がない状態こそ、体が最もポテンシャルを発揮できる状態であり、将来的に妊娠を望んだ時にスムーズにスタートを切るための最大の準備となります。

当店では、お一人おひとりの体質と疲労の傾向を詳しくお聞きし、未来の妊娠力と出産を支える体力に繋がる漢方薬と鍼灸による体づくりをご提案しています。まずはご自身の体の声に耳を傾け、お気軽にご相談ください。