【痛みシリーズ 】生理痛・PMSは我慢しない!鍼灸と漢方で乗り越える「毎月の憂鬱」

1. 毎月の不調、本当に「当たり前」ですか?

生理痛(月経痛)やPMS(月経前症候群)は、女性にとって毎月のこと。でも、薬に頼らなければいられないほどの痛みや、イライラ、頭痛は、決して「当たり前」ではありません。

【PMSとは?】

PMS(月経前症候群)は、月経が始まる前の約3~10日前から様々な不調が生じる疾患です。

症状は非常に多様で、身体症状(頭痛、乳房の張り、むくみ、腹痛など)と精神症状(イライラ、抑うつ、集中力の低下、不安など)があります。

このうち、特に精神症状が強く、日常生活に支障をきたす場合は「PMDD(月経前不快気分障害)」と診断されることもあります。

🩺 西洋医学的な原因(簡潔な説明)

  • 生理痛の主な原因: 子宮を収縮させて経血を押し出すために子宮内膜から分泌されるホルモン様物質「プロスタグランジン」の過剰分泌が、痛みの主要因と考えられています。この月経痛は、様々な要因によって強まることがあり、日常生活に支障をきたすほど強い場合、月経困難症と診断されることもあります。
  • PMS/PMDDの主な原因: 女性ホルモン(エストロゲンとプロゲゲステロン)の急激な変動が、脳の神経伝達物質に影響を与えることが関与していると考えられていますが、正確なメカニズムは未だ不明確です。

🌸 東洋医学的な視点(根本原因)

東洋医学では、これらの不調を、**血の滞り(瘀血)や、気の巡りの乱れ(気滞)、そして体内の「冷え」**が根底にあると考えます。

痛みの主な原因: 骨盤内での血流が滞り、痛み物質が排出されない(瘀血)。

PMSの主な原因: ストレスなどで「気」の流れが滞り、神経が高ぶる(気滞)。

特に冷えは、血流の滞り(瘀血)を強め、痛みを増強させる最大の要因です。

【冷えを招く日常の習慣例】

  • 冷たい飲み物をよく飲む
  • 薄着冷たい床に座る
  • エアコンシャワーのみで体を温めない

2. 【鍼灸の役割】体の巡りをスムーズにする即効性アプローチ

鍼灸治療は、痛みの信号をリセットし、「冷え」と「瘀血」による血流の滞りに効果的にアプローチします。

また、現代人は長時間の同一姿勢(座りっぱなしや立ちっぱなし)を続けることが多く、これが姿勢の歪み、特に骨盤の歪みを引き起こします。骨盤の歪みは、その内部にある子宮や卵巣への血流をさらに悪化させ、生理痛やPMSの増強につながることがあります。

鍼灸治療では、痛みのある局所だけでなく、全身のバランスを調整することで、根本的な姿勢の歪みを改善し、血流の通り道を確保します。これにより、痛みの出にくい体へと繋がります。

  • 骨盤内の血流改善: 下腹部や腰、足のツボ(特に三陰交など)に鍼をすることで、子宮や卵巣周辺の血行を強力に促進し、冷えを改善しながら痛みの原因物質をスムーズに排出させます。
  • 自律神経の鎮静: ホルモン変動の影響で乱れやすい自律神経の緊張を解き、精神的な不調(イライラ、不眠など)を緩和します。

3. 【漢方の役割】毎月を快適にする体質を内側から作る(おすすめ処方例)

鍼灸で血流を整えた後、漢方薬で体質そのものを改善することで、痛みの再発を防ぎ、生理周期全体を快適に保ちます。

漢方薬には、毎日服用して体質を根本から改善していくものと、症状が強く出た時だけ飲む頓服的な使い方ができるものがあります。

漢方薬の目的症状の傾向おすすめ処方例
温補・補血(体質改善)冷え性、生理不順、貧血、疲労感が気になる方に。体を温め、血を補います。👉 イスクラ婦宝当帰膠B
理気・安神(精神症状)PMSによるイライラ、抑うつ、頭痛、気の滞りが強い方に。👉 逍遥顆粒明華順心
駆瘀血(対症・根本改善)痛みが強く、血の塊が出やすい方に。血の滞りを解消します。👉 イスクラ冠元顆粒

💡 詳しくはご相談ください:

上記の漢方薬の飲み方、体質への合致度は人それぞれです。お客様の体質や、毎月の症状の出方に合わせ、**「毎日飲むべきか」「症状がある時だけ飲むべきか」**を個別にご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

4. まとめ:鍼灸と漢方の連携で「生理のある毎日」を味方に

生理痛やPMSは、我慢する必要のないサインです。

鍼灸で「今月の痛み」を緩和し、漢方で「来月以降の快適さ」を作る。このダブルアプローチで、体質を根本から整えることが可能です。

痛みに悩まない毎日へ。体質改善を始めるなら、今がチャンスです!


【大切な補足情報】

  • 時期によるストレス要因: 生理痛は、思春期、成人、産後、更年期など、女性のライフステージにおけるストレスや環境の変化が引き金となって現れる場合があります。東洋医学では、これらの要因を考慮して体質改善を行います。
  • 婦人科受診のおすすめ: 痛みがひどく、日常生活に支障を来すほどの生理痛が続く場合、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科の基礎疾患が隠れている可能性があります。まずは専門の婦人科で診察を受けることをおすすめします。基礎疾患の治療と並行して、東洋医学による体質改善をぜひご活用ください。